ブレンナー峠地下トンネル北側アクセスルート
固体伝播音と振動を抑制する、最大規模のマススプリングシステム
ブレンナー峠地下トンネル(BBT)は、ブレンナー峠を貫通する、旅客および貨物列車用トンネルを建設する、オーストリアとイタリアの共同プロジェクトです。 このトンネルは、オーストリアのインスブルックからイタリアのボルツァーノを縦断してチロルとアルプスを結ぶ、総距離 2,200 km におよぶベルリン- パレルモ高速鉄道区間の一部です。 全長 55 km のこのトンネルは、ゴッタルド地下トンネルに次いで、世界で第2番目の長さを誇る鉄道トンネルです。
ウンターインタールを通るBBTへの北側アクセスルートに対して、極めて高い防振および防音効果が求められました。
- ブレンナーの幹線区間の拡張 - 地域の負荷軽減
- クンドル/ラートフェルト - バウムキルヒェン間の環境負荷の軽減
- この複線新区間の列車は、時速250 km/hで通行することが想定されていました。そのため、それに対応する高い防振・防音効果が求められました。
- 1日当たり推測で260~300本の、主として貨物輸送用の列車がこの区間を通行
ゲッツナーのソリューション
近く開通するブレンナー峠地下トンネル北側アクセスルートには、固体伝播音および振動の低減のために最長のマススプリングシステムが設置されます。これは、今まで鉄道軌道に導入されていたものです。
今回、アクセスルートのトンネルとスノーシェド部分(合計40 kmのうちの32 km)には、約80,000 m2の弾性素材Sylomer®(シロマー)および Sylodyn®(シロディン)を使用した高性能マススプリングシステムが導入されます。
各種マウントの静的特性および動的特性を精密に調整することで、それぞれのロケーションに、条件に合致した最適な効果(緩衝効果)が獲得されます。 その結果、固体伝播音および振動が顕著に減衰されます。
- トンネル部分とスノーシェド部分に施された、これまでで最大規模のマススプリングシステム
- 振動および固体伝播音を大幅に低減することによる、周辺住民への対策
- 1日あたり約300本の貨物列車が時速250 km/hで通過する新設の複線区間の防振
BBTへのアクセスルート実現の際は、ゲッツナーのエンジニアが優れた技術力と意識の高さを示してくれました。 彼らは、誰もが納得する専門知識の豊富さと、プロジェクトを知り抜いているという事実で、極めて優秀な仕事をしてくれました。 われわれARGEにとって、一緒に問題解決に取り組むことができ、そのハイテク製品を現場に活用してくれるパートナーを得ると言うことは、大変重要なことでした。 この要件を、ゲッツナーは完全に満たしてくれました。」( EMBA-HSG、ARGE Alptransit Brenner プロジェクトリーダー、ロバート・クンプシュ氏)